- 1.有価証券の分類
- 2.有価証券を購入したときの仕訳
- 3.配当金を受け取ったときの仕訳
- 4.有価証券を売ったときの仕訳
- 5.有価証券の評価替えの仕訳
- 6.有形固定資産を購入したときの仕訳
- 7.固定資産の減価償却の仕訳(定額法)
- 8.期首に固定資産を売ったときの仕訳
- 9.期中に固定資産を売ったときの仕訳
- 10.固定資産の改良や修繕をしたときの仕訳
1.有価証券の分類
有価証券は保有目的などから、次の4つに分類されます。
① 売買目的有価証券・・・時価の変動により、短期的に売買することで、利益を得ることを目的に保有する株式または社債のことをいいます。
② 満期保有目的債権・・・満期まで保有することが目的の社債などをいいます。
③ 子会社株式・関連会社株式・・・子会社、関連会社が発行した株式をいいます。
④ その他有価証券・・・①~③のどれにもあてはまらない有価証券のことをいいます。
2.有価証券を購入したときの仕訳
A社の株式10株を、1株1,000円で購入した。
代金は手数料200円とともに現金で支払った。
〇次のような仕訳になります。
有価証券(購入代価+手数料)を借方に記入します。
現金が減ったので、帳簿の現金を減らします。
〇有価証券が10,200円増えたので、貸借対照表の資産の部に+10,200円です。
(資産の増加)
〇現金が10,200円減ったので、貸借対照表の負債の部に+10,200円です。
(資産の減少)
3.配当金を受け取ったときの仕訳
所有しているA社の株式について、配当金1,000円を受け取った。
なお、当座預金へ振り込まれた。
〇次のような仕訳になります。
当座預金に振り込まれたので、当座預金を増やします。
受取配当金(収益)を計上します。
〇当座預金が1,000円増えたので、貸借対照表の資産の部に+1,000円です。
(資産の増加)
〇受取配当金が1,000円発生したので、損益計算書の収益に+1,000円です。
(収益の発生)
4.有価証券を売ったときの仕訳
保有しているB社の株式(購入単価1株あたり15円、購入株式数10株)を1株あたり20円で売却し、代金は現金で受け取った。
〇次のような仕訳になります。
現金で受け取ったので、帳簿の現金を増やします。
有価証券を売却したので、有価証券(資産)を減らします。
帳簿価額と売却価額との差額は、今回の場合は有価証券売却益(収益)で処理します。
〇現金が200円増えたので、貸借対照表の資産の部に+200円です。
(資産の増加)
〇有価証券が150円減ったので、貸借対照表の負債の部に+150円です。
(資産の減少)
〇有価証券売却益が50円増えたので、損益計算書の収益に+50円です。
(収益の増加)
5.有価証券の評価替えの仕訳
決算において、売買目的で所有するC社の株式(帳簿価額100円)を時価150円に評価替えする。
〇次のような仕訳になります。
帳簿価額よりも時価の方が高いときは、差額の分だけ有価証券(資産)を増やします。
貸方には、今回の場合は有価証券評価益(収益)を記入します。
〇有価証券が50円増えたので、貸借対照表の資産の部に+50円です。
(資産の増加)
〇有価証券評価益が50円発生したので、損益計算書の収益に+50円です。
(収益の発生)
6.有形固定資産を購入したときの仕訳
10,000円の備品を購入し、運賃50円、設置費用100円とともに現金で支払った。
〇次のような仕訳になります。
固定資産を購入したときは、購入代価に手数料や運賃、設置費用などの付随費用を含めた金額を取得原価とします。
運賃などを含めて備品(資産)を借方に記入します。
現金が減ったので、帳簿の現金を減らします。
〇備品が10,150円増えたので、貸借対照表の資産の部に+10,150円です。
(資産の増加)
〇現金が10,150円減ったので、貸借対照表の負債の部に+10,150円です。
(資産の減少)
7.固定資産の減価償却の仕訳(定額法)
12月31日(決算日)を迎え、1月1日(期首)に10,000円で購入した車両の減価償却を行う。耐用年数は5年、残存価額は取得原価の10%、記帳方法は間接法
〇次のような仕訳になります。
減価償却費(費用)は借方へ記入します。
記帳方法は間接法なので、減価償却累計額で処理します。
減価償却累計額は負債なので、貸方へ記入します。
〇減価償却累計額が1,800円増えたので、貸借対照表の負債の部に+1,800円です。
(負債の増加)
〇減価償却費が1,800円発生したので、損益計算書の費用に+1,800円です。
(費用の発生)
8.期首に固定資産を売ったときの仕訳
1月1日(期首)に、車両(取得原価10,000円、減価償却累計額1,800円、記帳方法は間接法)を8,800円で売却した。なお、代金は月末に受け取る。
〇次のような仕訳になります。
まだ受け取っていない代金=未収金(資産)が増えるので、借方に記入します。
減価償却累計額(負債)が減るので、借方に記入します。
車両(資産)がなくなるので、取得原価の金額で貸方へ記入します。
帳簿価額8,200円(取得原価10,000円-減価償却累計額1,800円)よりも売却価額8,800円の方が高いので、差額の600円は固定資産売却益(収益)で処理します。
〇未収金が8,800円増えるので、貸借対照表の資産の部に+8,800円です。
(資産の増加)
〇減価償却累計額が1,800円減るので、貸借対照表の資産の部に+1,800円です。
(負債の減少)
〇車両が10,000円減るので、貸借対照表の負債の部に+10,000円です。
(資産の減少)
〇固定資産売却益が600円発生したので、損益計算書の収益に+600円です。
(収益の発生)
9.期中に固定資産を売ったときの仕訳
8月1日、車両(取得原価10,000円、期首減価償却累計額1,800円)を8,800円で売却し、代金は月末に受け取る。
決算日12月31日
減価償却方法は定額法、残存価額は取得原価の10%、耐用年数5年、記帳方法は間接法
〇次のような仕訳になります。
減価償却累計額(負債)が減るので、借方に記入します。
未収金(資産)が増えるので、借方に記入します。
車両(資産)が減るので、貸方に記入します。
当期の減価償却費を借方に計上します。
差額が貸方に生じるので、固定資産売却益(収益)を貸方に記入します。
〇減価償却累計額が1,800円減るので、貸借対照表の資産の部に+1,800円です。
(負債の減少)
〇未収金が8,800円増えるので、貸借対照表の資産の部に+8,800円です。
(資産の増加)
〇車両が10,000円減るので、貸借対照表の負債の部に+10,000円です。
(資産の減少)
〇減価償却費が1,200円発生するので、損益計算書の費用に+1,200円です。
(費用の発生)
〇固定資産売却益が1,800円発生するので、損益計算書の収益に+1,800円です。
(収益の発生)
10.固定資産の改良や修繕をしたときの仕訳
自社の建物について、壁を10,000円で防音加工し、屋根の雨漏りを1,000円で直した。
代金は現金で支払った。
〇次のような仕訳になります。
固定資産の価値を高める支出は資本的支出なので、建物(資産)の科目を使います。
現状を維持するための支出は収益的支出なので、修繕費(費用)になります。
現金で支払ったので現金を減らします。
〇建物が10,000円増えたので、貸借対照表の資産の部に+10,000円です。
(資産の増加)
〇修繕費が1,000円発生したので、損益計算書の費用に+1,000円です。
(費用の発生)
〇現金が11,000円減るので、貸借対照表の負債の部に+11,000円です。
(資産の減少)
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